沈黙する記憶
☆☆☆

それは、まばたきをするような一瞬の出来事だった。


僕は杏に近づき、その首を絞めていた。


床に倒れ込んだ杏に馬乗りになり、首を絞め続ける。


足をばたつかせ、両手を振り回して必死に抵抗する杏。


杏の爪が僕の頬をひっかいて、血が流れだした。


それでも僕が指の力を緩めないでいると、杏は徐々に力を失いやがてグッタリと目を閉じたのだった……。
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