沈黙する記憶
あたしは裕斗の推理力に関心してしまった。


たったこれだけの短時間で、これだけの可能性を見つける事ができるなんて本当に尊敬してしまう。


あたしは夏男と一緒に杏の行きそうな場所を探すくらいしかできなかったのに。


「夏男が当日に誰かと一緒にいなかったか。この質問なら、夏男もすんなり答えてくれると思わないか?」


「うん。思う」


「だよな。だったらさっさと昼飯を終わらせて夏男に連絡してみよう」


そう言い、あたしたちはまずパスタを食べる事に専念したのだった。
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