沈黙する記憶
袋
僕は杏の体を黒いナイロン袋に詰め込んで、買ったばかりの車のトランクに乗せた。
中古車だけど、頑張ってバイトをして買った初めての車だった。
この車の助手席に杏を乗せてデートに行くのが、僕の夢だった。
ホテルの駐車場から出ると、夕日の眩しさに目を細めた。
どうやら夜になるまではまだまだ時間があるようだ。
僕はハンドルを握る手の汗をぬぐった。
今は夏休み中だ。
少し遅く家に帰っても怒られたりはしない。
課題もしっかりと進めているし、夏休み中のアルバイトもちゃんと出勤している。
僕はとても真面目な人間なんだ。
みんなそう言ってくる。
『少しは遊びなさいよ』とか。
だから僕のやることはきっと間違えていないんだ。
きっと、みんな理解してくれるはずなんだ……。
中古車だけど、頑張ってバイトをして買った初めての車だった。
この車の助手席に杏を乗せてデートに行くのが、僕の夢だった。
ホテルの駐車場から出ると、夕日の眩しさに目を細めた。
どうやら夜になるまではまだまだ時間があるようだ。
僕はハンドルを握る手の汗をぬぐった。
今は夏休み中だ。
少し遅く家に帰っても怒られたりはしない。
課題もしっかりと進めているし、夏休み中のアルバイトもちゃんと出勤している。
僕はとても真面目な人間なんだ。
みんなそう言ってくる。
『少しは遊びなさいよ』とか。
だから僕のやることはきっと間違えていないんだ。
きっと、みんな理解してくれるはずなんだ……。