浮気の定理
「……っ!」



――や、そうだけど!そこでダイレクトに聞くか?そんなこと!



恥ずかしくなって顔が一気に熱くなった。



きっと傍目から見たら、すごく真っ赤になっているに違いない。



私が何も言えずに口をパクパクしていると、彼はますます肩を揺らして笑う。



それからようやく私に向き直ると、首を傾げながら言った。



「清水さんみたいに綺麗な人に妬いてもらえるなんて、嬉しいなぁ」



――はっ?何言ってんの?この人!



綺麗な人って、綺麗な人って……あたしのこと?
< 103 / 730 >

この作品をシェア

pagetop