浮気の定理
そう自覚してしまうと、ますます恥ずかしくなって下を向いた。



そんなこと言われたの何年ぶりだろう?



ただの社交辞令なのはわかってる。



だけど胸の高鳴りは止められなかった。



「僕、この肌……実はすごいコンプレックスだったんですよ

男のくせにツルツルしてて、そのせいでガキに見えるみたいで……

おかげで菊地さんみたいなパートさんには舐められちゃうし」



そう言って小さく溜め息をつく。



「だから清水さんのは誉め言葉として受け取っておきますね?

うらやましいとか思ってもらえるなんて光栄だし」
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