浮気の定理
そして誰かにだけ特別じゃないところが、逆に萌えるポイントなのだ。



下心があるわけじゃなくて、純粋に優しいんだって思わせてくれるから。



私もこのドキドキ感が、邪なものじゃないんだって安心できる。



「そう、じゃあ無理はしないでね?脚立でも届かないとこあったら言って?」



そう言い残して飯島さんは今度はレジに向かう。



レジでは菊地さんが、新しいチケットを処理できなくて右往左往しているところだった。



飯島さんを見つけると、助かったとばかりにすがり付く。



菊地さんの方がよっぽど女子力が高いんじゃないかと、私はガックリと肩をおとした。
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