浮気の定理
結果的にそれを避けるために、私は嘘をつかなくちゃならない。



嘘は嘘を呼び、どんどん嘘が重なっていく。



それに押し潰されそうになった時、私は私でいられるんだろうか?



なんにもなかったような顔で、今まで通りこの3人と付き合っていけるんだろうか?



家庭だけじゃなく、友達まで失うほど私の罪は重いんだろうか?



実際に失わなかったとしても、夫にも娘たちにも友達にさえも、私はこれから先後ろめたい思いを抱えて生きていかなきゃならない。



飯島さんにだって、もう会えなくなるかもしれないんだ。
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