浮気の定理
テーブルに戻ると、興味津々といった顔でみんなが見つめてきた。



特に真由はやることやってるなんてあけすけにも言ってくる。



それを横で制する涼子は、相変わらず良識ある反応だ。



一番知られたくなかった相手、桃子はやはり手厳しい。



自分が万にひとつも妊娠することがないようにしているだけに、人にも甘い考えは許さない。



「ありさもいい大人なんだから、一時の快楽に負けて避妊しないとか、やめてよね?」



その言葉は間違いなく私の胸に突き刺さった。



桃子の言う通りだと、自分が嫌になる。
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