浮気の定理
「真由、ごめんね?本当は私の番なのに……」



前回と変わらず弱々しいままの桃子が、申し訳なさそうに真由に詫びる。



「全然!平気だって!ほら、あたし?暇だから?」



そう言って目線をありさに向けたのは、まだ暇だと言ったことを根に持ってる証拠だ。



「悪かったって!真由も忙しいのにお願いしちゃってごめんね?」



ありさがそう嫌味で返すと、真由の頬がプウッと膨らんだ。



「何よ~!その言い方!」



「はいはい!おしまい!
本当はみんな真由には感謝してるんだから、ねっ?
あんたがそんなに怒ってたら、謝ってる桃子の立場がないでしょ?」
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