浮気の定理
ありさは視線を手元に落としたまま、静かに口を開く。



「うん……ごめんね?

ほんとなら私からみんなに報告しなくちゃいけなかったのに……

実は…さ……流産……しちゃったんだ……

迷ってた私の気持ちが、赤ちゃんに伝わっちゃったのかもね……?


こんな悲しい思い……もうしたくないから……


……これからはこんなことにならないように……気を付けるよ」



そう言い終えると、ありさは手元から視線をあげて、みんなの顔を一人一人見つめながら悲しそうに微笑んだ。
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