浮気の定理
それから全員がしばらく黙ったまま、プリンを口に運ぶ。



その美味しさに思わず顔が緩む。



周りを見ても、やっぱりみんなそんな顔をしていた。



美味しいものは心を癒してくれる。



ありさも桃子も月に一度のこの時間が癒しになってるといいな、なんて……



涼子は柄にもなく思った。



ようやく場の空気が穏やかになった頃、真由が唐突に爆弾を落とした。



「桃子は?」



「えっ?」



まさか自分に振られるとは思ってなかったんだろう。



プリンを掬っていたスプーンを握り締めたまま、桃子は固まった。
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