浮気の定理
「だから桃子は大丈夫なの?……雅人さん、あれからどう?」



桃子大好き真由には珍しく、痛いところをズバッと突いてくる。



涼子もありさも、思わず真由の顔を見た。



心配そうな泣きそうな、そんな顔で真っ直ぐ桃子を見つめてる。



桃子は気まずそうに真由から視線を外し、掬ったばかりのプリンを口に押し込んだ。



それから観念したように顔を上げて、今度はおどけたようなふりをする。


「別にな~んにも変わんないよ?雅人も相変わらずだしね」



そう言って小さく肩を竦めた。
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