浮気の定理
どうやら桃子が真由に話したわけじゃないらしい。



桃子自身も、真由の言葉に動揺しているようだった。



「や、例えばよ!例えば!別に変な意味じゃないし……」



射るように見つめていた桃子は、真由のその言葉を聞いて、スッと目を逸らした。



「そ、じゃあ気にしなくていいから。
私は大丈夫。前みたいには戻れないかもしれないけど、夫婦なんて長くやってればそんなもんなんじゃない?

もし、浮気してたって戻ってくるってことは、離婚するつもりもないんだろうし……

それなら旦那の遊びくらい認めてあげようかなって、最近はね?

あはっ、あたしって心広いでしょ?」
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