浮気の定理
途中まで4人一緒に歩いていると、真由が突然立ち止まった。



「あ、ごめん!あたしこれから約束があったんだった!悪いけどここで別れるね?」



桃子と組んでいた腕を遠慮がちに外しながら、真由がそう言う。



「そうなんだ?じゃあまた来月ね?」



外された腕をチラッと見ながら、なんとなく寂しそうに桃子が言った。



「うん!じゃあまたね?バイバ~イ!」



軽やかな足取りで手を降りながら、人混みに消えていく真由を、3人でぼんやり見送った。



「あれは男だね?」



ありさがポツリと呟く。



「うん、間違いないね?」



桃子も同調するようにそう言った。
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