浮気の定理
真由の場合①
「うん、じゃあまたね?バイバーイ!」



みんなに手を振って別れを告げる。



桃子にくっついていた方の腕が、急にスースーするような気がした。



まだこちらを向いて手を振り返す友人たちに背を向け、雑踏の中を歩き始める。



本当は約束の時間まで、あと2時間くらいあった。



けれど、どうにもあの場にいたくなくて嘘をついたのだ。



うっかり口にしてしまった言葉に過剰な反応をした桃子……



やはりあれは職場でなにかあった証拠だ。
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