浮気の定理




『ずいぶん早かったんだね?
わかった、なるべく早く終わらせて急いで行くから!
飲みすぎないようにね』





それを眺めながら、私の顔は自然とゆるむ。



私のために早くこ~いと、小さく呟いた。



「すいませぇん、お水をもらえますぅ?」



かしこまりました、とキビキビとした動作でグラスにミネラルウォーターを入れて、すぐに持ってくる。



ありがとーと、やや呂律の回らない口で言うと、彼は困ったような顔で笑った。



困った笑顔も可愛いな……



一回くらい寝てみてもいいかも……
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