浮気の定理
「あぁ、構わないよ?

帰る時に会計は済ましとくから、ゆっくりしてったらいい」



「ありがとう」



満面の笑みで礼を言えば、また一つキスを落とされる。



「もう一回?」



「いや、おじさんを殺す気か?」



苦笑しながらそう言う彼が、なんだか妙に可笑しくて私はクスクス笑う。



「だよね?おじさんは一回が限界だよね?」



「こら、真由に言われると傷つくんだけど……」



「おじさん?」



「そう……あと限界とか……」



しょんぼりする彼を見るのが好きな私は、かなりのSだと思う。
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