浮気の定理

自分とは正反対の桃子に、私はすごく興味があった。



スラリと高い背丈に細い手足、同じ高校生とは思えないほどの、大人びた綺麗な顔立ち。



それでいて程よく肉もついていて、女性らしいとはまさにこのこと、といった容姿をしていた。



容姿だけじゃなく振る舞いもたおやかで、女の私でも見とれてしまいそうになる。



女子からつまはじきにされてもなお、凛とした佇まいを崩さない桃子に憧れを抱いていたのも本当だ。



だからなにかというと、私は桃子にまとわりついた。



周りに引かれるくらい。