浮気の定理
真由の場合③
「真由ちゃん、俺……もう……クッ」
「うん、いいよ……私も……あっ……んん」
ベッドに横たわる私の髪を、優しく撫でる彼の大きな手。
少し細身な体は、意外と筋肉質だ。
北川との濃厚で丁寧なそれとは違い、激しくも熱い。
弛んだお腹も安心するけれど、たまには薄っぺらい硬く割れたお腹もいいもんだと思う。
まあ、どれも私だけのものではないけれど……
昨日約束した通り、いつもの時間のいつもの場所。
安っぽいパネルで選んだ部屋に私たちはいた。