浮気の定理
いつも北川とはフロアの席に座ることが多い。



個室は初めてだったけど、結構広くて落ち着けそうな雰囲気にホッとした。



運ばれてくる料理はどれも美味しくて、ますます私は鼻が高くなる。



みんながそれぞれ違うものを頼んで、いろんな味を楽しんだ。



食事が終わってデザートが運ばれてきた頃――



桃子が静かな口調でありさに聞いた。



そう、それはもちろんお腹の赤ちゃんのこと。



ありさは一瞬黙ってから言いにくそうに、話し始める。
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