浮気の定理
「でもなんか、ちょっと今日の服装が場違いに見えるね?」



いつもならもう少しみんなまともな格好をしているのに、今日に限ってダウンやらモッズコートやら、エスキモーみたいにもこもこだ。



「確かに……」



そう言って自分の格好をまじまじと眺めたのはありさだ。



「大丈夫だよ?

そんな畏まるような店じゃないって書いてあったし、ランチメニューとかもあるみたいだし」



桃子がそうフォローを入れたところで、店員さんが近づいてきた。



「いらっしゃいませ

ご予約の木下様でいらっしゃいますか?」
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