浮気の定理
白のシャツに黒のパンツ、同じく黒の短めのエプロンを腰に巻いたその店員さんは、にっこり笑ってそう言った。



髪をアップにしたきれいめの女性で、清潔感がある。



それだけでこの店は当たりだなと思ったのは、涼子だけじゃないはずだ。



「はい、予約した木下です」



桃子がそう言えば、お席にご案内しますと、奥から2番目のテーブルに通された。



ランチメニューは一種類だけ。



「えぇー!騙された!」



真由がそう叫ぶ。



「ほんと、まさかのメニューだよね?」



ありさも驚いたようにそう言った。
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