浮気の定理
「うん……もう一度やり直せるのかなって、思ってきたとこなんだ」



真由の様子に気付かない桃子は、そう言ってはにかんだように笑った。



「あっ!ぃ……」



その時、急にありさが顔を歪めてうずくまるのを見て、3人は慌てた。



「どうしたの!?」



「どっか、痛いの?」



「大丈夫?」



みんなが代わる代わるに声をかける。



見るとありさの額には脂汗が浮かんでいた。



「あ……ごめん、少しこうしてれば治るから……」



そう言われて全員が、ありさをただ見守ることしか出来なかった。
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