浮気の定理
ガバッと布団から起き上がると、時すでに遅く……



何も身に付けていない自分の隣には、同じく裸で寝ている同僚の姿があった。



――まさか……嘘でしょ?



この同僚が以前から自分に好意を持っていることは知っていた。



だからこそ、警戒しなくちゃいけなかったのに……



結婚したんだから、もう大丈夫だと、安心してしまっていた自分に腹が立った。



震える体をなんとか動かして散らばった下着と服を急いで身につけた。



自分はまったく記憶にないけれど、この男と一線を越えてしまったことは明らかだった。
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