浮気の定理
「勇さんの働いてくれたお金です」



俯き加減にそう言えば、彼は満足そうに言葉を続けた。



「そうだよな?俺のおかげでお前たちは、何不自由なく暮らせるんだよな?

なのになんでお前は、俺が仕事から帰ってきた時にいないんだ

明かりのついてない暗い部屋に帰るのが嫌いだってこと、知ってるだろ?

なにも友達に会っちゃダメだって言ってるわけじゃない

行くななんて言ったことないよな?

だけど最低限のルールが守れないなら、禁止してもいんだぞ?

嫌だろ?そんなの」
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