浮気の定理
付き合ってくれる――



それだけで嬉しくて顔がほころんだ。



映画仲間の3人とは違って、異性に対しても真面目で、男友達さえいない。



見た目も地味だし、誇れるところと言えば成績が良かったことくらいだ。



いつも受け身なわりに、ひとたび付き合えば一生懸命に彼に尽くした。



それこそ一人一人真剣に誠実に……



だけどその結果訪れる結末はいつも同じ。



「重いんだよ」



そう言われて、自分から好きになったわけでもないのに、相手から振られることが多かった。
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