浮気の定理
結局、私がそれを口にするまで暴力は続いた。



それを言えばお仕置きが終わるのだと気付いたのは、それから何回目だったろう?



毎日この部屋で彼を送り、そして迎える。



それさえ守れば優しい夫なのかもしれない。



そしてそれは花が生まれてからも変わらなかった。



だけどたまに不安になるのだ。



今は小さいからまだいい。



けれど思春期になった時――



父親に反抗するようになったら、花も同じ目に合わされるんじゃないかと……



その時、私は彼女を守ることが出来るんだろうか?
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