浮気の定理
サイトに繋がないと見れなかったメールから、LINEで直接やりとりをするようになるまで時間はかからなかった。



以前の自分からは信じられないような行為。



それだけ彼とリアルな時間を共有したかったのかもしれない。



それから、LINEの着信があるたびに彼からじゃないかとドキドキした。



夫からのLINEより、彼からのLINEの方を待ちわびていることに罪悪感を覚えたけれど、どこの誰かもわからない相手だと思えばそれも和らいだ。



奥さんも映画が好きで、よく昔は一緒に見に行ったりもしたけれど、子供が生まれて自分の仕事も忙しくなってからは、なかなか機会がないのだと彼は言った。
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