浮気の定理
様子のおかしかった桃子の話を聞きながら、どこかで夫に叱られるんじゃないかと思ってた。



夜の電話は夫を不機嫌にさせる。



だから私はなるべく友達との連絡はLINEにしていた。



もしかしたらそんな上の空の気持ちが、桃子に伝わってしまったのかもしれない。



あれから痩せ細っていく彼女を見るたびに、私は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。



真由やありさに相談してほしかったけれど、あの様子だと私以外には話していないらしい。



桃子の場合は夫だった。


それでも信じられなかったのに……
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