浮気の定理
ありさも涼子も、もうそれ以上のことは聞けなかった。



どちらから離婚を切り出したのかとか、あの浮気相手とはどうなったのかとか、聞きたいことはたくさんあったはずなのに……



今、目の前で真由と笑いながら話してる桃子を見て、ありさも涼子も元気ならいいやと思えた。



離婚はもう決まったのだ。



それなら過去を振り返る必要はないんだと……



自由を手にした桃子が少しだけ羨ましく思えたのなぜなんだろう?



涼子は戸惑いを感じながら、あの人はどうするつもりなんだろうかと、別の場所に想いを寄せていた。
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