浮気の定理
桃子の選択①
「ちゃんと報告出来て良かったじゃない
よく言えたよ、えらいえらい」
真由がそう言いながら、私の頭を撫でた。
最近の彼女は、前と違ってとても頼もしく見える。
憧れの眼差しで私を見ていた真由はもういない。
横に寄り添い慰めてくれる、そんな対等な存在になっていた。
いや、もしかしたら対等ですらないのかもしれない。
彼女には本当にいろんな意味で助けられた。
感謝してもしきれないくらいたくさんのことを……
真由に頭を撫でられながら、今までのことを思い出して涙が出そうになった。