浮気の定理



「なんか眠くなってきちゃった……」



「えっ?」



横を見ると、真由が今にも突っ伏しそうな勢いで目をとろんとさせている。



そういえば、最近一緒に飲むことがなかったけれど、真由はお酒に弱かったことを思い出した。



「真由、ダメだよ?寝ちゃ!ほら、もう帰るよ?」」



ゆさゆさと肩を揺さぶって、真由の眠気を飛ばそうとしてみる。



「ん~……わかってる……」



そう言いながら、どんどん体はふにゃふにゃになっていった。



真由は実家で父親と二人暮らしだ。



このまま帰すわけにもいかないかもしれない。
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