浮気の定理

懇願するような目でそう言うと、山本は私から視線を外しながら、大丈夫と答えた。



嘘だ……



自分から目を逸らした時点で、危険なこともあるかもしれないと言ってるようなものだ。



「やっぱり私が自分でなんとかするよ！だから山本は手出ししないで？」



ダメだ、彼を危険な目になんか合わせられない。



あの男は少しおかしい……



だから逆上したら何をするかわからないのだ。



「自分でなんとかするなら、とっくにしてるはずだろ？

出来ないから、未だにこんなことになってんじゃないかよ！」