浮気の定理
ありさの選んだ作品は、サスペンスものだったけれど、わりと暴力的なシーンや、男女の絡みの描写がエグいものだった。



ありさ以外で喜んでいるのは、真由くらいのものだろう。



「ま、気を取り直してランチ行こ!」



真由がそう声をかければ、沈みがちだったありさの顔が、パッと明るくなった。



「リベンジさせて?

ランチは美味しいもの食べさせてあげるから」



来た道とは反対方向に、ありさはそそくさと歩き出す。



3人はありさに慌てて小走りで着いていった。
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