浮気の定理
ありさの選んだ店は、映画館からそれほど離れていない場所にあった。



和風の佇まいから落ち着いた雰囲気が伝わってくる。



中に入ると、木を基調とした温かな店内が広がっていた。



広めの一枚板のテーブルが存在感がある。



テーブルごとに、淡いオレンジ色の間接照明が柔らかな光を放っていた。



「なんかゆったり出来る感じだね?」



桃子が席に着きながらそう言った。



「でしょ?たまにはこういうのもいいよね」



ありさもみんなの反応に気をよくしているようだ。



「いろんな料理があるんだねぇ」



真由はさっそくメニューを開いて眺めている。
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