浮気の定理
「浮気はさ……

された方はもちろん傷つくんだと思うけど、した方にもきちんと代償はあると思う

だから雅人さんも、桃子と別れて違う人と暮らし始めたからって、必ずしも幸せになれるとは限らないと思うよ?

むしろ最悪の事態が待ってるかもしれない……」



俯き加減にそう言ったありさの真意は、誰にもわかるはずがなかった。



シンと静まり返ったその場の空気を変えたのは、いつものように真由だった。



「まるで、自分が浮気したことがあるみたいな言い方だね?」



刺すような視線でありさを見つめながらそう言った真由は、子供がいるのに浮気をする人を嫌う。
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