浮気の定理
それを埋めることが出来るのは、本来なら和也だったんだと思う。



彼は彼で仕事が忙しくて、ストレスを抱えていたのかもしれない。



それを解消出来るのが、ゲームだったとしたら、止めることは難しい。



和也と体を重ねることでさえ、私の心の隙間を埋めることは出来なかった。



だから、他に癒しを求めたのかもしれない。



それが例えフェイクだったとしても、その時私は満たされたのだ。



そして満たされた分だけ家族にも優しくなれた。



苛々していた毎日も、夫や子供のいない時間を彼と過ごすことで、穏やかになっていった。
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