浮気の定理
その関係が崩れたのは、定期的に開かれていた職場の飲み会だった。



暑気払いのあと、久しぶりに行われたそれは親睦会という名目で行われる。



飯島さんと昼間以外で会うことの出来る唯一の口実だ。



以前と同じように娘たちを和也に預けて、時間を気にせずおもいっきり楽しめることにワクワクした。



昼間に会うときは、娘たちが帰ってくるまでの間だけと、タイムリミットが決まっていた。



だからこそ時間を気にしなくていい夜の外出は貴重なのだ。
< 428 / 730 >

この作品をシェア

pagetop