浮気の定理
「じゃあ……お言葉に甘えて、ごちそうになります」



私がそう言うと、彼は嬉しそうに笑う。



「良かった、ちょっと待っててくださいね?」



私の気が変わらないうちに、とでも思ったんだろうか?



彼はそそくさとキッキンに向かうとコーヒーを淹れ始めた。



コーヒーのいい香りがしてくる。



マグカップに注がれたコーヒーを2つ手にして彼が戻ってきた。



「はい、熱いですから気を付けてくださいね?」



そう言って手渡されたコーヒーを一口飲む。



「美味しい……」
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