浮気の定理
和也の目を見てそう言えば、向こうも探るように私を見てくる。



「ほんとかよ?」



「ほんとほんと

なによ、スマホまで見るなんて和也らしくないよ?
私はやましいことなんかないから、こんな風に平然としてられるけどさ

世の中の奥さんだったら見られたことに逆ギレ騒動だよ?」



ふざけたようにそう言えば、和也は少しだけホッとしたような顔を見せた。



「だいたい、逆のことしたら、和也絶対に怒るでしょ」



そう続けて言うと、彼は気まずそうに謝ってくる。



「悪い、そうだよな?なんか……さ

最近、お前……綺麗になったから、ちょっと心配になったんだよ」
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