浮気の定理
「えぇ?大丈夫だよ。いいよ、来なくて」



「絶対ダメ!だから少し時間稼ぎながら向かって?

真由ちゃんに何かあったら、木下に何て言ったらいいかわかんないだろ?」



桃子の名前を出されて、私は渋々了承した。



まあ、何かあったときの保険みたいな感じで、山本を待機させておくのもいいかもしれない。



「わかった。じゃあ、コンビニでお酒とおつまみを買ってから行くようにするね?」



山本はホッとしたように息を吐くと、そのまま電話を切らずに支度を始めたようだ。
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