浮気の定理
「でも……もし、泊まることになったりしたら、女性はいろいろ準備がいるんだけどな?」



はにかみながらそう言えば、水落は気をよくしたように自宅の近所であろうコンビニの名前を運転手に告げた。



今頃、山本はどう思っているんだろうか?



会話をすべて聞かれていることを思い出して、苦笑いした。



コンビニで一通りお泊まりセットを購入して、やはり少しだけ酒やつまみも買い足す。



お金は全部、水落が払ってくれた。



これから目の前の女と、いいことが出来ると思っているのだろう。



そういうとき、男はホイホイ金を出すものなんだなと、私は変に感心していた。
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