浮気の定理
それから、三ヶ月が過ぎても嫌がらせのメールは続いていた。



毎日送られて来るメールに辟易しながら、同僚にもいい加減怪しまれてきた頃。



帰宅して、夫のいないリビングで一人ソファーに座っていた。



会社での嫌がらせに加えて、家での夫との確執。



さすがに精神的疲労はどんどん蓄積されてピークを迎えていた。



着替えることも、シャワーを浴びることも、食事をすることも忘れて、その場に座り込んだまま動けない。



いつものことではあったけれど、今日のそれはソファーと同化したんじゃないかと思うほど、体が重かった。
< 53 / 730 >

この作品をシェア

pagetop