浮気の定理
最後のははったりだった。画像はすべて消してしまったのだ。証拠と呼べるものは何もない。



でも、自分のあられもない姿の写真を見せられたことで、信憑性が高まっているように私には見えた。



「わかった……もう木下には近付かない

そ、それに俺は頼まれたんだ!だから警察には言わないでくれ!さっきの写真も消してくれよ!

なぁ、頼むよ……俺が悪いんじゃない!あいつが悪いんだ!」



――あいつ?



意外なところから黒幕がいることを知って、私は少なからず動揺した。


水落はただ、桃子が好きでストーカー行為をしていたんだと思っていたから。
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