浮気の定理
「あいつって……誰?誰に頼まれたの!」



声を荒げてそう言えば、小さくなって怯えている水落が小さく呟いた。



「木下の……旦那だよ」



「……っ!!」



まさか……雅人さんが?なんのために?



私が黙りこんだことで、信じてもらえてないと思ったのか、水落はさらにペラペラと話し出す。



「会社の前で待ち伏せされたんだ……

ほんとなんだ、信じてくれよ!

それで話があるって言われて……

木下を好きなんだろ?って言われたんだ

言う通りにすれば、あいつを好きにしていいって

睡眠薬を渡されて酒に入れて飲ませて、送るふりして好きにしろって……」
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