浮気の定理
――それもあいつの指示だったってわけね?



「そいつはなんのために?」



こちらが質問するたびに、水落は自分の罪が軽くなると思うのか、必死に答えてくれる。



「木下と別れたいけど、慰謝料は払いたくないって……確か言ってた!

浮気した女に本気になったって

だけど自分が浮気して離婚するとしたら慰謝料払わなきゃならないだろう?

だから、俺に好きなようにしろって言って、木下が浮気したってことにしたかったんだと思う

これで知ってることは全てだ

なぁ?全部喋ったんだから、それ、消去してくれるだろ?」
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