浮気の定理
その声にハッと我に返った北川は、私から手を離し、静かに腰をおろした。



「すまなかった……

だけど、真由に付き合ってる人がいるっていうのは嘘だろう?

僕と別れるための口実なんだろう?

結婚したくないってことはよくわかったよ

お父さんが許してくれるはずがないって思うのは当然だ

でも僕は許してもらえるまで、先輩を説得するくらいの覚悟は持ってるつもりだよ?

だから真由は黙って僕についてきてくれたらいいだけなんだ」



「……」



まじ…うざい……



結婚したくなくて別れたいってことが、なんでお父さんが許してくれないからってことになんのかな?
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