浮気の定理
そんな様子を見ていた山本が、自分から北川に歩み寄って挨拶をした。



「はじめまして、山本と言います

真由ちゃんとはいいお付き合いをさせていただいてます」



そう言って握手を求める山本に、北川は仕方ないといった様子で、あぁ……とだけ答えて、のろのろと手を差し出した。



山本はにっこりと微笑むと、しっかりと握手をかわす。



若干強めに握られたらしいそれに、北川は顔をしかめて手を離した。



「この店、真由ちゃんに教えてもらったんですよ

それからたまに二人でもよく来るようになってて……

あ、良かったらご一緒してもいいですかね?

実は今日も真由ちゃんと待ち合わせしてたんですよ」
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