浮気の定理
それは私にもわかってた。



そんなに簡単に諦めるようには見えなかったし、離婚しようとしているくらいだから、かなり私に執着しているのだろう。



「わかってる

でもとりあえず山本くんみたいな友達がいるのわかれば、少し考え直してくれるんじゃないかな~と」



やや楽観的過ぎる言葉に、山本は呆れたように肩を落とした。



「桃子の次は真由ちゃんかよ……ったく、一難去ってまた一難だな?」



「あ、あたしには何にもしてくれなくていいからね?

今日の彼氏役だけで充分感謝してますから」
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