浮気の定理
「……ごめん」



ようやく話せるようになったのか、涼子がそうみんなに謝罪する。



真由が厳しい顔でこちらを向いた。



「ねぇ?何があったの?最近、涼子おかしいよ?前より口数も減ったしさ」



それを受けて桃子も優しく言葉をかけてくる。



「相談に乗るよ?

私も、真由にいろいろ助けてもらって救われたし

私たちに少しでも吐き出したら楽になるかもしれないよ?」



「そうだよ、涼子!私たち友達じゃない」



他の二人の言葉は受け入れられても、ありさのものだけは受け入れられなかった。



何もなかったような顔で、今は幸せに暮らしてるんだろうありさに、自分の気持ちがわかるはずないと涼子は唇を噛む。
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